オジイクBlog

ある日仕事を辞めた所帯持ちの40代オヤジが人間力を育みながら再就職するまでの記録を綴るブログ

遅刻をして人から好かれる方法

イオンなどの大型複合施設へ行くと必ず起こること。車を何処に停めたかわからない、どの入り口から入場したのかわからない・・・。いわゆる方向音痴。自覚したのは二十歳の頃に友達から言われた一言から。「お前って本当に道を覚えないよねぇ」。なるほど、薄々気付いてはいたけど俺ってやっぱり方向音痴なんだ(゚∀゚ ;)・・・あれから二十年。「方向音痴」は以前よりも意識の中に深く根を下ろしている。苦手意識、不得意、弱点、短所。様々な言い方があるが、いわゆる短所というやつは隠そうとすればするほど尻が出るようで、ある時を境に私はこの短所と共存する道を選んだ。建築の仕事に就いてからだ。

 

頭の中のコンパス

建築において方角や方向は最も重要な事項の一つだ。建築物の向き、玄関の位置、部屋の方角、日当たりの良い方角、神棚を付ける方角・・・枚挙にいとまがない。数多の方角が落とし込まれた図面と睨めっこしながら現場を管理していく、それが私に与えられた役割だった。すぐに躓いた。現場で図面を見ても、自分の現在位置をすぐに把握できない。人よりもかなり時間がかかる。上棟直後の現場なんかは壁などの間仕切りは当然まだなく、それが余計に頭を混乱させた。年下の大工が薄ら笑いを浮かべ皮肉たっぷりにこう言う。「頭ん中にGPSでも埋め込めばいいんじゃないっすか?」。短所は消せない。とんでもない職に就いたと思った。同時に覚悟を決めた。

 

短所が長所を生むこともある

人には短所を補うべく長所が備わっているらしい。例えば、金使いの荒い人はお金の稼ぎ方を知ってる場合が多い。これは先天的なものではなく自身の「お金がなくて困った経験」が培った長所だ。私の場合は、仕事を理解することに人よりも時間がかかる。だったら答えは簡単で、単純に人より時間をかければ良いのだ。人より早く現場に出向き時間をかけて状況を把握する、他の監督よりもながく職人と接する。これを継続することで方向音痴を取り上げられることが減り、現場によく足を運ぶ熱心なやつというイメージに変わっていった。憎き短所が育ててくれた私の新たな一面だ。

 

最後に私の妻のエピソードを。妻はよく時間に遅れる。待ってる時はまたかと呆れるのだが、息を切らせながら笑顔で懸命に謝られると「まあいいか」となる。次第に「急いで駆けつけてくれたんだ」となる。そして最後には遅刻のことなど忘れる。妻が確信犯なのかはさておき、悪い気はしない(´・∀・` )